Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名称

       uustat - UUCP システム状態のチェックや制御を行う

書式

       uustat -a

       uustat --all

       uustat [ -eKRiMNQ ] [ -sS system ] [ -uU user ] [ -cC command ] [ -oy hours ] [ -B lines ] [ --executions
       ]  [  --kill-all  ]  [  --rejuvenate-all  ] [ --prompt ] [ --mail ] [ --notify ] [ --no-list ] [ --system
       system ] [ --not-system system ] [ --user user ] [ --not-user user ]  [  --command  command  ]  [  --not-
       command command ] [ --older-than hours ] [ --younger-than hours ] [ --mail-lines lines ]

       uustat [ -kr jobid ] [ --kill jobid ] [ --rejuvenate jobid ]

       uustat -q [ -sS system ] [ -oy hours ] [ --system system ] [ --not-system system ] [ --older-than hours ]
       [ --younger-than hours ]

       uustat  --list  [  -sS  system ] [ -oy hours ] [ --system system ] [ --not-system system ] [ --older-than
       hours ] [ --younger-than hours ]

       uustat -m

       uustat --status

       uustat -p

       uustat --ps

解説

       uustat コマンドは、UUCPシステムに関するいろんな情報を表示します。また、本コマ  ンドを用いることで、  uucp
       (1) や uux (1)で作成されたジョブ要求を取り消したり、他の制御を行ったりすることが 出来ます。

       デフォルトでは、  uustat  は、コマンドを起動したユーザが要求したジョブをすべて表示します。これは、 --user
       オプションで自分を指定した場合の動作と同じです。

       -a, --all, -e, --executions, -s, --system, -S, --not-system, -u, --user, -U, --not-user,  -c,  --command,
       -C,  --not-command, -o, --older-than, -y, --younger-than のいずれかのオプションが指定されると、指定条件に
       合致するすべてのジョブを 表示します。

       -K または --kill-all オプションは、要求してから7日間経過したものすべてといったような、選択したグルー プの
       ジョブを削除出来ます。

オプション

       uustat では、以下のオプションが使用可能です。

       -a, --all
            キューイングされたすべてのファイル転送要求を表示します。

       -e, --executions
            キューイングされたコマンド実行要求を表示します。キューイングされた コマンド実行要求は、 uuxqt (8) に
            て処理されます。 キューイングされたコマンド実行要求は、リモートシステムから転送される ファイルを待っ
            て実行させることが可能です。これらの要求は、 uux (1)を起動することで作成されます。

       -s system, --system system
            指定したシステムに対するジョブ要求をすべて表示します。これらのオプションは、 1回のコマンド起動時に複
            数指定することが可能です。 --list と併用した場合は、指定したシステムのものだけが表示されます。

       -S system, --not-system system
            指定したシステム向け以外のジョブ要求をすべて表示します。これらのオプションは、 1回のコマンド起動時に
            複数指定することが可能です。 --list と併用した場合は、指定したシステム以外のものだけが表示されます。
            なお、これらのオプションは、 -s--system とは同時に指定できません。

       -u user, --user user
            指定したユーザのジョブ要求をすべて表示します。これらのオプションは、 1回のコマンド起動時に複数指定す
            ることが可能です。

       -U user, --not-user user
            指定したユーザのジョブ要求を除くジョブ要求をすべて表示します。これらの オプションは、1  回のコマンド
            起動時に複数指定することが可能です。   この場合は、指定したユーザたちのジョブは表示されません。   な
            お、これらのオプションは、 -u--user とは同時に指定できません。

       -c command, --command command
            指定したコマンドの実行ジョブ要求をすべて表示します。 commandALL  と指定された場合、すべての(単な
            るファイル転送要求ではない)コマンド実行要求  を表示します。これらのオプションは、1回のコマンド起動時
            に複数指定することが 可能です。

       -C command, --not-command command
            指定したコマンド以外の実行ジョブ要求をすべて表示します。 commandALL と指定された場合  すべての単
            なるファイル転送要求についてすべて表示されます。 これらのオプションは、1回のコマンド起動時に複数指定
            することが可能です。 なお、これらのオプションは、 -c--command とは同時に指定されません。

       -o hours, --older-than hours
            指定した時刻以前にキューイングされた全てのジョブを表示します。 --list と併用した場合は、一番古いジョ
            ブが指定した時刻以前であるシステムの ものだけが表示されます。

       -y hours, --younger-than hours
            指定した時刻以降にキューイングされた全てのジョブを表示します。 --list と併用した場合は、一番古いジョ
            ブが指定した時刻以降であるシステムの ものだけが表示されます。

       -k jobid, --kill jobid
            指定したジョブを削除します。jobidは、デフォルトの出力結果から取得可能  です。また、  uucp (1) や uux
            (1)にて -j または --jobid オプションを付加して実行することで、当該ジョブ要求のジョブidを取得する  こ
            とも出来ます。 ジョブの削除を行うことが出来るのは、ジョブを要求したユーザ、UUCPシス テム管理者、もし
            くはスーパーユーザだけです。  -k または --kill オプションは、1回のコマンド実行で複数回指定することが
            可能です。

       -r jobid, --rejuvenate jobid
            指定したジョブのジョブ要求時刻を、本コマンドを起動した時刻に変更します。 これは、 -o,  --older-than,
            -y, --younger-than オプションの出力結果に影響を与え、自動 cleanup デーモンから守ります。 jobidは、デ
            フォルトの出力結果から取得可能です。また、  uucp (1) や uux (1)に -j または --jobid オプションを付加
            して実行することで、当該ジョブ要求のジョブidを取得する  ことも出来ます。  本操作を行うことが出来るの
            は、ジョブを要求したユーザ、UUCPシステム管 理者、もしくはスーパーユーザです。 -r または --rejuvenate
            オプションは、1回のコマンド実行で複数回指定することが可能です。

       -q, --list
            要求がキューイングされている全てのリモートシステムに対する要求のステー  タス、そして対話のステータス
            を表示します。 -s, --system, -S, --not-system, -o, --older-than, -y, --younger-than オプションによっ
            て、表示されるシステムを制限することが可能です。  コマンドや実行するものがないシステムは表示されませ
            ん。

       -m, --status
            すべてのリモートシステムとの対話のステータスを表示します。

       -p, --ps
            UUCPが保持するすべての処理のステータスを表示します。

       -i, --prompt
            各ジョブについて、削除するかどうかを問い合わせるよう指示します。その 問い合わせに対してユーザが y も
            しくは Y を先頭に含む文字列を入力した場合(y もしくは Y だけでも)、そのジョブ は削除されます。

       -K, --kill-all
            各ジョブを自動的に削除します。本機能は、  --mail--notify  オプションと組み合わせて使用すること
            で、自動メンテナンスを行う スクリプトを作成するのに役立ちます。

       -R, --rejuvenate-all
            指定した各ジョブを自動的に若返らせます。このオプションは --kill-all と同時には使えません。

       -M, --mail
            各ジョブについて、UUCPシステム管理者に対してメールを送ります。もし ジョブが( --kill-all--prompt
            を用いることで)削除された場合、その旨がメールに明記されます。 --comment オプションで指定されたコメン
            トについても、そのメールの中に含まれます。  ジョブが実行された場合、標準入力から入力された最初の部分
            がメールのメッ  セージに含まれます。  メールに含まれる行数は、  --mail-lines  オプションで設定可能で
            す(デフォルトでは100行です)。 標準入力からの入力データがNULLキャラクタを含む場合、そのデータはバイナ
            リ データであるとみなされ、メールには含まれません。

       -N, --notify
            各ジョブについて、要求を行ったユーザに対してメールを送ります。メール  の内容については、  -M  または
            --mail オプションで説明したものと同一です。

       -W comment, --comment comment
            -M, --mail,  -N,  --notify  などのオプションでメールを送る際に、そのメールに含めるコメントを指定しま
            す。

       -B lines, --mail-lines lines
            -M, --mail, -N, --notify オプションは、標準入力から実行してメールを送る場合に使うオプションで、 メッ
            セージに含める標準入力からのデータの最大行数を制御します。 デフォルトは 100 です。

       -Q, --no-list
            -i, --prompt, -K, --kill-all, -M, --mail, -N --notify などのオプションと同時に使用します。ジョブの表
            示を行わないようにします。

       -x type, --debug type
            特定のデバッグタイプを指定します。タイプとしては、abnormal,   chat,  handshake,  uucp-proto,  proto,
            port,config,  spooldir,  execute,  incoming,  outgoing  がありますが、   uustat   では、   abnormal,
            config,spooldir ,execute のみが意味を持ちます。 本オプションでは、コンマで区切ることで複数のデバッグ
            タイプが指定可能です。  そして、  --debug  オプションは、1回のコマンド起動で複数回指定可能です。  ま
            た、タイプとして数字を指定することも可能です。例えば、    --debug    2    という指定は、     --debug
            abnormal,chat と同じ意味です。

       -I file, --config file
            使用するコンフィギュレーションファイルの指定を行います。ただし、    本オプションは、コンパイル条件に
            よっては使用できないことがあります。 -v, --version バージョン情報を表示して終了します。

       --help
            ヘルプメッセージを表示して終了します。

使用例

       uustat --all
       全てのジョブのステータスを表示します。出力例を以下に示します。
            bugsA027h bugs ian 04-01 13:50 Executing rmail ian@airs.com (sending 1283 bytes)
       フォーマットは、以下の通りです。
            jobid system user queue-date command (size)
       jobid は、 --kill もしくは --rejuvenate オプションで主に使用します。 サイズは、リモートシステムにどれだけ
       のデータが転送されるかを示します。  また、ファイル受信要求については情報がありません。  --system,  --not-
       system, --user, --not-user, --command, --not-command, --older-than, --younger-than オプションは、ジョブの
       表示制御のために用いられます。

       uustat --executions
       キューイングされたコマンド実行ジョブのステータスを表示します。出力 例を以下に示します。
            bugs bugs!ian 05-20 12:51 rmail ian
       フォーマットは以下の通りです。
            system requestor queue-date command
       --system,  --not-system,  --user, --not-user, --command, --not-command, --older-than, --younger-than オプ
       ションは、ジョブの表示制御のために用いられます。

       uustat --list
       コマンドがキューイングされている全てのシステムのステータスを表示します。 出力例を以下に示します:
            bugs            4C (1 hour)   0X (0 secs) 04-01 14:45 Dial failed
       この出力では、システム、キューイングされているコマンドの数、 キューイングされているコマンドのうち一番古い
       ものの年齢、 キューイングされたローカルな実行要求の数、 キューイングされた一番古い実行要求の年齢、 一番最
       後の通信の日付、およびその通信のステータスが表示されています。

       uustat --status
       全てのリモートシステムとの通信ステータスを表示します。 出力例を以下に示します:
            bugs           04-01 15:51 Conversation complete
       この出力では、 システム、最後の通信の日付、およびその通信のステータスが表示されています。  もし最後の通信
       が失敗した場合は、 uustat は何回そのシステムを呼び出そうとしたかを表示します。 現在、もしそのリトライ周期
       がそのシステムの呼び出しを止めている状態であれば、 uustat は次の呼び出しが行われる時間も表示します。

       uustat --ps
       UUCP のロックを持っている全てのプロセスのステータスを表示します。 uustat は単にロックを持つプロセスに対し
       て ps (1) を起動するだけなので、出力フォーマットはシステムに依存します。

            uustat --command rmail --older-than 168 --kill-all --no-list --mail --notify --comment "Queued for over 1 week"
       1  週間  (168時間)  以上配達を待っている全ての rmail コマンドを削除します。該当する各コマンドに対応して、
       メールが UUCP 管理者とその rmail の実行を要求したユーザに送られます。 送られるメッセージには --comment オ
       プションで与えられた文字列も含みます。 --no-list オプションはジョブの全てが端末に表示されないようにするた
       め、 そのプログラムからの出力はすべてエラーメッセージになります。

関連ファイル

       関連ファイル名は、コンパイル時の指定により変化します。以下に挙げるものは、 一例です。
       /usr/lib/uucp/config - 初期化ファイル
       /usr/spool/uucp - UUCP スプールディレクトリ

関連項目

       ps(1), rmail(1), uucp(1), uux(1), uucico(8), uuxqt(8)

作者

       Ian Lance Taylor (ian@airs.com)

                                                Taylor UUCP 1.06                                       uustat(1)