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名前

       snmp_config - ucd-snmp アプリケーションの設定法の説明

説明

       ucd-snmp パッケージはアプリケーションの設定にいろいろな設定ファイルを用いる。 この man ページは、他の man
       ページで説明する必要のない、 設定ファイルの全体的な特徴のみを説明している。

検索されるディレクトリ

       まず第一に、いろいろな場所に設定ファイルを置いて  読み込ませることができる。 アプリケーションは、デフォル
       トでは /usr/share/snmp, /usr/lib/snmp, $HOME/.snmp という順番で設定ファイルを探す。  これらのディレクトリ
       以下にある  .conf と .local.conf という拡張子のファイルを探す (2 番目の拡張子のディレクトリを最後に読み込
       む)。 このような方法で、これらの設定ファイルのタイプについて、 設定ファイルが存在できる 6  つのデフォルト
       の場所がある。

       さらに上記のデフォルトの検索パスは、 環境変数 SNMPCONFPATH を設定して変更できる。 SNMPCONFPATH には、検索
       するディレクトリを ':' で区切ったリストで指定する。

       そして永続的なデータを格納するアプリケーションは、 設定ファイルを /var/snmp でも検索する。

設定ファイルのタイプ

       各アプリケーションは複数の設定ファイルを使うことができる。 これら設定ファイルでアプリケーションのいろいろ
       な設定を行う。  例えば、SNMP エージェント (snmpd) は snmpd.conf ファイルと snmp.conf ファイルの両方にある
       設定ディレクティブの内容を解釈できる。 実際、大部分のアプリケーションが snmp.conf  ファイルの内容を解釈で
       きる。  ただし、ある設定ディレクティブが複数のファイルに存在したときに、 最初に読まれた設定ファイルでの指
       定だけが有効となり、 それ以降に読まれた設定ファイルでの指定は無効になる点に注意すること。  より詳しい情報
       を得るためには、  各設定ファイルタイプについての関連ページを読むこと。 大部分のアプリケーションはコマンド
       ラインで '-H' スイッチをサポートしており、 各アプリケーションが参照する設定ファイルと  使用可能なディレク
       ティブをリスト表示する。

       snmp.conf  はアプリケーション群全体に対する 設定ファイルとして想定されていて、 全ての snmp アプリケーショ
       ンの基本的な特性を制御するための ディレクティブをサポートしている。  基本的な特性とはテキスト形式の  SNMP
       mib ファイルの 操作法や解析方法のことである。

MID ファイルにおける設定タイプの変更

       パーサーが読み込む設定タイプは  mib ファイルの中で切り替えることができる。 このように言われても意味がわか
       らないので、例を示す。  例えば、デフォルトでエージェントのパケットダンプ出力を有効にしたいが、  (snmpget,
       snmpwalk,  ... といった) 他のアプリケーションでは 有効にしたくないといった場合である。 通常、設定ファイル
       でパケットダンプを有効にするには、

              dumpPacket true

       という行を  snmp.conf  ファイルに書く必要がある。  しかしこれでは、全てのアプリケーションでダンプが有効に
       なってしまう。 そこで代わりに同じ行を snmpd.conf ファイルに書けば、 snmpd デーモンにのみ適用される。 ただ
       し、パーサーにこの行を待ち受けるように指示する必要があり、 特殊タイプの指定トークンを [] セットの中に書き
       込まなければならない。  言い換えれば、snmpd.conf  ファイルに以下の行を追加することで、  上記の  snmp.conf
       ディレクティブを書き込めるということである。

              [snmp] dumpPacket true

       この行により、上の行が snmpd.conf ファイルではなく snmp.conf ファイルにある場合と同様にパーサーに解析させ
       る。 1 行だけでなく複数の行をパースさせたい場合には、 特殊トークンのみの行を置くことにより、 コンテキスト
       スイッチをファイルの残りの部分または 次のコンテキストスイッチディレクティブが現れるまで適用することができ
       る。

              # このファイルを snmp.conf トークンとして処理させる:
              [snmp]
              dumpPacket true
              logTimestamp true
              # 元の snmpd.conf トークンに戻る:
              [snmpd]
              rocommunity mypublic

コメント

       文字 '#' で始まる設定ファイルの行は、 コメントとして扱われ、パースされない。

API インタフェース

       エージェントの mib モジュールやアプリケーションで このシステムを利用するための C 言語のコードを書くための
       情報は、 read_config(3) の man ページにある。

関連項目

       read_config(3).

4th Berkeley Distribution                          28 Aug 2001                                      SNMP.CONF(5)