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名前

       telnet — TELNET プロトコルのユーザーインターフェース

書式

       telnet [-8ELadr] [-S tos] [-e escapechar] [-l user] [-n tracefile] [host [port]]

説明

       telnet   コマンドは  TELNET  プロトコルを用いて他のホストと相互通信をするために使われる。  このプログラム
       は、("telnet> ") というプロンプトを表示して、 コマンドモードで開始される。 引き数 host を付けて telnet が
       起動されると、 open コマンドが暗黙のうちに実行される。 以下の説明を参照すること。

       オプション:

       -8      8 ビット動作を行う。 入力・出力の両方で、 TELNET BINARY  オプションを用いるようにネゴシエーション
               を行う。 デフォルトの telnet は 8 ビットクリーンではない。

       -E      エスケープ文字の機能を無効にする。 つまり、エスケープ文字を「無視する文字」に設定する。

       -L      出力に 8 ビットデータパスを指定する。 出力のみで TELNET BINARY オプション使用のネゴシエーションを
               行う。

       -a      自動ログインをさせる。  現在のところ、リモートホストが ENVIRON オプションの USER 変数をサポートし
               ている場合、この変数がログイン名として送信される。 ユーザ名は getlogin(3) を使って取得される。

       -d      debug の初期値を TRUE に設定する。

       -r      rlogin(1) をエミュレートする。 このモードでは、デフォルトのエスケープ文字はチルダ (~) である。 ま
               た、エスケープ文字の解釈は変更される。 エスケープ文字の後にドット (.) を続けると telnet  をリモー
               トホストから切断する。  エスケープ文字の後に  ^Z  を続けると telnet を中断する。 ^] (デフォルトの
               telnet エスケープ文字) を送ると通常の telnet プロンプトが表示される。  これらのコードは行頭にある
               場合にのみ受け付けられる。

       -S tos  telnet 接続のための サービスタイプ (type-of-service, TOS) オプションの値を tos に設定する。

       -e escapechar
               エスケープ文字を  escapechar  に設定する。 文字を何も指定しない場合、エスケープ文字は使われない。
               接続されている間にエスケープ文字が入力されると、 telnet はコマンドモードになる。

       -l user
               リモートシステムにログインするユーザーとして  user  を指定する。   これは指定された名前を環境変数
               USER  として送信することで実現されるので、 リモートシステムが TELNET ENVIRON オプションをサポート
               している必要がある。 このオプションは、暗黙のうちに -a オプションが使われ、 open コマンドとともに
               使われる。

       -n tracefile
               トレース情報を記録するためにファイル tracefile を開く。 以下の set tracefile コマンドを参照するこ
               と。

       host    ネットワーク越しに接続するホストを指定する。

       port    接続するポート名またはサービス名を指定する。 指定されない場合、 telnet ポート (23) が使われる。

       プロトコル:

       接続がオープンされると、 telnet は TELNET LINEMODE オプションを有効にしようとする。  これが失敗した場合、
       telnet  は 2 つの入力モード “character at a time” と “old line by line” のうちどちらかを選択する。 これは
       リモートシステムがどちらをサポートしているかに依存する。

       LINEMODE が有効になっている場合、文字処理はリモートシステムの制御下におかれた  ローカルシステムで実行され
       る。 入力の編集や文字のエコーが無効にされた場合、 リモートシステムはその情報を中継する。 リモートシステム
       は生成された特殊文字も中継する。 これにより、ローカルシステムにも効果が及ぶ。

       “character at a time” モードでは、 入力されたテキストの大部分は、処理のためにリモートシステムへすぐに送信
       される。

       “old  line by line” モードでは、 すべてのテキストはローカルでエコーされる。 そして、(通常は) 完全な行のみ
       がリモートホストに送信される。 “local echo character” (初期設定では “^E”) は ローカルエコーのオン・オフを
       切替えるために使われる (これはパスワードをエコーせずに入力する場合によく用いられる)。

       LINEMODE オプションが有効になっている場合、または localchars の切替えが TRUE の場合 (これは “old line  by
       line“  のデフォルトである。以下を参照)、  ユーザーの  quit,  intr,  flush  文字はローカルでトラップされ、
       TELNET プロトコルシーケンスとしてリモート側に送信される。  LINEMODE  が有効になっている場合、  ユーザーの
       suspeof も TELNET プロトコルシーケンスとして送信される。 そして、 quit は BREAK ではなく TELNET ABORT
       として送信される。  オプションとしては、  (リモートホストが TELNET シーケンスを認識するまで) 端末へのサブ
       シーケンス出力をフラッシュするもの (以下の toggle autoflushtoggle autosynch  を参照)  や、  (quitintr の場合に) それまでの端末への入力をフラッシュするものがある。

       コマンド:

       以下の telnet コマンドが使用可能である。 他と区別がつく範囲で、後ろの方を省略することもできる。

       auth argument ...
                  auth は TELNET AUTHENTICATE プロトコルオプションを制御する。 telnet が認証なしでコンパイルされ
                  た場合、 auth コマンドは使えない。 このコマンドに使える引き数は以下の通りである。

                  disable type  指定した認証タイプを使用不可にする。  指定可能な認証タイプの一覧を見たい場合は、
                                auth disable ? コマンドを使うこと。

                  enable type   指定した認証タイプを使用可能にする。  指定可能な認証タイプの一覧を見たい場合は、
                                auth enable ? コマンドを使うこと。

                  status        認証タイプの現在の状態をリストする。

                  現在のバージョンの telnet は認証をサポートしていない点に注意すること。

       close      リモートホストへの接続がある場合は、接続を閉じ、コマンドモードに戻る。

       display argument ...
                  settoggle で設定された値 (以下を参照) の全て、または一部を表示する。

       encrypt argument ...
                  encrypt コマンドは TELNET ENCRYPT プロトコルオプションを制御する。 telnet が暗号化なしでコンパ
                  イルされた場合、 encrypt コマンドはサポートされない。

                  このコマンドに指定可能な引き数は以下の通りである。

                  disable type [input|output]
                                指定した暗号化タイプを使用不可にする。  input または output を指定しない場合、両
                                方の暗号化が無効にされる。  指定可能な暗号化タイプの一覧を見るには、   ``encrypt
                                disable ?'' を使うこと。

                  enable type [input|output]
                                指定した暗号化タイプを使用可能にする。  input または output を指定しない場合、両
                                方の暗号化が有効にされる。  指定可能な暗号化タイプの一覧を見るには、   ``encrypt
                                enable ?'' を使うこと。

                  input         ``encrypt start input'' と同じ。

                  -input        ``encrypt stop input'' と同じ。

                  output        ``encrypt start output'' と同じ。

                  -output       ``encrypt stop output'' と同じ。

                  start [input|output]
                                暗号化を開始する。  input  または  output を指定しない場合、両方の暗号化を開始す
                                る。

                  status        暗号化モジュールの現在の状態を表示する。

                  stop [input|output]
                                暗号化を停止する。 input  または  output  を指定しない場合、両方の暗号化を停止す
                                る。

                  type type     その後の ``encrypt start'' コマンドや ``encrypt stop'' コマンドで使われる 暗号化
                                のデフォルトタイプを設定する。

                  現在のバージョンの telnet は、暗号化をサポートしていない点に注意すること。

       environ arguments...
                  environ コマンドは TELNET ENVIRON プロトコルオプションを用いて telnet リンクを通して環境変数を
                  渡すために使われる。 シェルからエクスポートされる全ての変数が定義されるが、 デフォルトでは環境
                  変数  DISPLAY  と PRINTER のみが送信するために選ばれる。 コマンドラインオプション -a または -l
                  が使われた場合、 環境変数 USER が送信するために選ばれる。

                  environ コマンドに指定可能な引き数は以下の通りである。

                  define variable value
                              環境変数 variable が値 value  を持つと定義する。  このコマンドで定義された環境変数
                              は、  引き渡す (``エクスポートする'') ために自動的に選択される。 値 value はシング
                              ルクォートやダブルクォートで囲ってもよい。  このようにすると、タブやスペースを値に
                              含めることができる。

                  undefine variable
                              既に存在する環境変数 variable の定義を削除する。

                  export variable
                              指定した環境変数をリモートホストに渡されるように設定する。

                  unexport variable
                              指定した環境変数をリモートホストに渡されないように設定する。  リモートホストはエク
                              スポートされない (渡されない) 変数について 明示的に問い合わせることもある。

                  list        現在の環境変数の一覧を表示する。 *  でマークされた環境変数はリモートホストに渡され
                              る。 リモートホストは他の環境変数について明示的に問い合わせることもある。

                  ?           environ コマンドについてのヘルプ情報を表示する。

       logout     TELNET LOGOUT プロトコルオプションをリモートホストに送る。 このコマンドは close コマンドに似て
                  いる。 リモートホストが LOGOUT オプションをサポートしていない場合は、何も起こらない。 サポート
                  している場合、このコマンドにより接続を閉じる。  リモート側が再接続のためのユーザーセッションの
                  サスペンドも サポートしている場合、logout コマンドはセッションを即時終了することを意味する。

       mode type  type はセッションの状態に依存するいくつかのオプションのうちの 1 つである。 telnet は要求された
                  モードに入るようにリモートホストに要請する。  リモートホストがそのモードに入ることが可能である
                  と返答すると、 そのモードが有効になる。

                  character     TELNET  LINEMODE オプションを無効にする。 また、リモート側が LINEMODE オプション
                                を解釈できない場合は、 “character at a time“ モードに入る。

                  line          TELNET LINEMODE オプションを有効にする。 また、リモート側が LINEMODE  オプション
                                を解釈できない場合は、 “old-line-by-line“ モードに入ろうとする。

                  isig (-isig)  LINEMODE オプションの TRAPSIG モードを有効 (無効) にしようとする。 LINEMODE オプ
                                ションが有効になっている必要がある。

                  edit (-edit)  LINEMODE  オプションの  EDIT  モードを有効 (無効) にしようとする。 LINEMODE オプ
                                ションが有効になっている必要がある。

                  softtabs (-softtabs)
                                LINEMODE オプションの SOFT_TAB モードを有効 (無効) にしようとする。 LINEMODE  オ
                                プションが有効になっている必要がある。

                  litecho (-litecho)
                                LINEMODE  オプションの LIT_ECHO モードを有効 (無効) にしようとする。 LINEMODE オ
                                プションが有効になっている必要がある。

                  ?             mode コマンドのヘルプ情報を表示する。

       open host [[-l] user][- port]
                  指定したホストと接続をオープンする。 ポート番号が指定されない場合、 telnet は telnet  デーモン
                  と標準ポート  (23) で接続しようとする。 ホストの指定はホスト名でも IP アドレスでもよい。 -l オ
                  プションは、コマンドラインでの -l オプションと同様に、  リモートシステムに渡されるユーザー名を
                  指定するために使われる。

                  telnet  ポート以外のポートと接続する場合、 telnet は telnet プロトコルによるネゴシエーションを
                  試みない。 これにより telnet プロトコルをサポートしていないサービスと 失敗することなく接続する
                  ことができる。 ポート番号の前にダッシュを置くことにより、 プロトコルネゴシエーションを強制的に
                  行わせることができる。

                  接続が確立した後、ユーザーの .telnetrc ファイルの中でリモートホストと関連づけられている 全ての
                  コマンドが実行される。

                  .telnetrc ファイルのフォーマットは次のようになっている。 # で始まる行と空行は無視される。 ファ
                  イルのそれ以外の部分には、ホスト名とそのホストに対して使われる telnet コマンドのシーケンスが含
                  まれる。 コマンドは 1 行に 1 つで、空白でインデントされていなければならない (訳注:  行頭には空
                  白が必要)。  空白で始まっていない行はホスト名として解釈される。 名前がファイル中で指定されてい
                  るホストに接続すると、 そのホストに関連付けられたコマンドが実行される。

       quit       全ての開いているセッションを閉じて telnet を終了する。 コマンドモードで end of file 条件を入力
                  した場合も、 これと同じ動作が行われる。

       send arguments
                  1 つ以上の  telnet  プロトコルシーケンスをリモートホストに送る。  以下はここで指定できるコード
                  (引き数) である (1 つのコマンドの中で複数のコードが指定できる)。

                  abort   TELNET ABORT (Abort Processes) シーケンスを送る。

                  ao      TELNET  AO (Abort Output) シーケンスを送る。 リモートシステムに対して、 リモートシステ
                          ム から ユーザー端末 への 出力をフラッシュさせる。

                  ayt     TELNET AYT (Are You There?) シーケンスを送る。  リモートシステムはそれに応答するかしな
                          いかを選択できる。

                  brk     TELNET BRK (Break) シーケンスを送る。 リモートシステムにとって重要な意味を持つ場合もあ
                          る。

                  ec      TELNET  EC (Erase Character) シーケンスを送る。 最後に入力された文字をリモートシステム
                          に消去させる。

                  el      TELNET EL (Erase Line)  シーケンスを送る。  現在入力中の行をリモートシステムに消去させ
                          る。

                  eof     TELNET EOF (End Of File) シーケンスを送る。

                  eor     TELNET EOR (End of Record) シーケンスを送る。

                  escape  現在の telnet エスケープ文字を送る。

                  ga      TELNET GA (Go Ahead) シーケンスを送る。 リモートホストにとってたぶん意味がない。

                  getstatus
                          リモート側が TELNET STATUS コマンドをサポートしている場合、 getstatus はサーバに現在の
                          オプションの状態を送るように要求する。

                  ip      TELNET  IP (Interrupt Process) シーケンスを送る。 現在実行しているプロセスをリモートホ
                          ストに中止させる。

                  nop     TELNET NOP (No Operation) シーケンスを送る。

                  susp    TELNET SUSP (Suspend Process) シーケンスを送る。

                  synch   TELNET  SYNCH  シーケンスを送る。  このシーケンスは、それまでに打ち込まれた入力  (ただ
                          し、まだ読まれていないもの) をリモートシステムに破棄させる。 このシーケンスは TCP 緊急
                          データとして送られる (リモートシステムが 4.2BSD の場合は動作しないかもしれない -- 動作
                          しない場合は小文字 “r” が端末にエコーされる)。

                  do cmd

                  dont cmd

                  will cmd

                  wont cmd
                          TELNET DO cmd シーケンスを送る。 コマンド cmd は、0 から 255 までの 10 進数、 または特
                          定の TELNET コマンドの対するシンボル名である。 コマンド cmd には、既知のシンボル名を含
                          むヘルプ情報を表示するための help または ? を指定することもできる。

                  ?       send コマンドのヘルプ情報を表示する。

       set argument value

       unset argument value
                  set  コマンドは telnet 変数のうちの 1 つを特定の値、または TRUE に設定する。 特別な値 off は変
                  数に関連付けられた機能を無効にする。 これは unset コマンドを使った場合と同じである。 unset  コ
                  マンドは指定された変数を無効、または  FALSE に設定する。 変数の値は display コマンドによって調
                  べることができる。 TRUE と FALSE の切替えでなく、値が set  や  unset  される変数を以下に列挙す
                  る。 また、 toggle コマンドによって値が切替えられる変数は、 明示的に set や unset を使って設定
                  してもよい。

                  ayt     telnet  が localchars モードの場合、または LINEMODE が有効になっている場合に、ステータ
                          ス文字が入力されると、  TELNET  AYT  シーケンスがリモートホストに送られる。  "Are  You
                          There" 文字の初期値は、端末のステータス文字である。

                  echo    これは、“line  by line” モード時に入力された値を (通常の処理として) ローカルでエコーす
                          るのか、 (パスワード入力などのために) エコーを抑制するのかを 切替える値である  (初期値
                          は “^E” である)。

                  eof     telnet が LINEMODE や “old line by line” モードで動作している場合、 行頭の文字としてこ
                          の文字を入力すると、   この文字がリモートシステムに送られる。  eof  文字の初期値として
                          は、端末の eof 文字が使われる。

                  erase   telnetlocalchars モード (以下の toggle localchars を参照) であり、 かつ “character
                          at a time” モードで動作している場合、 この文字が入力されると、  TELNET  EC  シーケンス
                          (上記の  send ec を参照) がリモートシステムに送られる。 erase 文字の初期値としては、端
                          末の erase 文字が使われる。

                  escape  これは、(リモートシステムと接続された場合に)  telnet  コマンドラインモードに入るための
                          telnet エスケープ文字である (初期値は “^[” である)。

                  flushoutput
                          telnetlocalchars モード (以下の toggle localchars を参照) の場合に flushoutput 文
                          字が入力されると、 TELNET AO シーケンス (上記の send ao を参照) がリモートホストに送ら
                          れる。 flushoutput 文字の初期値としては、端末の flush 文字が使われる。

                  forw1

                  forw2   telnet が LINEMODE モードで動作している場合に、この  2  文字が入力されると、  行の一部
                          (この 2 文字の間の部分) がリモートシステムに送られる。 この 2 つのフォワード文字の初期
                          値としては、 端末の eol と eol2 が使われる。

                  interrupt
                          telnetlocalchars モード (以下の toggle localchars を参照) の場合に interrupt 文字
                          が入力されると TELNET IP シーケンス (上記の send ip  を参照)  がリモートホストに送られ
                          る。 interrupt 文字の初期値としては、端末の intr 文字が使われる。

                  kill    telnetlocalchars モード (以下の toggle localchars を参照) であり、 かつ “character
                          at  a time” モードで動作している場合に、 この文字が入力されると、 TELNET EL シーケンス
                          (上記の send el を参照) がリモートシステムに送られる。 kill 文字の初期値としては、端末
                          の kill 文字が使われる。

                  lnext   telnet が LINEMODE または “old line by line“ モードで動作している場合、 この文字が端末
                          の lnext 文字として使われる。 lnext  文字の初期値としては、端末の  lnext  文字が使われ
                          る。

                  quit    telnetlocalchars モード (以下の toggle localchars を参照) の場合に quit 文字が入力
                          されると、 TELNET BRK シーケンス (上記の send brk を参照) がリモートホストに送られる。
                          quit 文字の初期値としては、端末の quit 文字が使われる。

                  reprint
                          telnet が LINEMODE または “old line by line“ モードで動作している場合、 この文字が端末
                          の  reprint 文字として使われる。 reprint 文字の初期値としては、端末の reprint 文字が使
                          われる。

                  rlogin  これは rlogin モードのエスケープ文字である。 この文字を設定すると、 コマンドラインオプ
                          ション -r と同様に rlogin モードが有効になる (件の部分も参照のこと)。

                  start   TELNET TOGGLE-FLOW-CONTROL オプションが有効になっている場合、  この文字が端末の  start
                          文字が使われる。 start 文字の初期値としては、端末の start 文字が使われる。

                  stop    TELNET TOGGLE-FLOW-CONTROL オプションが有効になっている場合、 この文字が端末の stop 文
                          字として使われる。 stop 文字の初期値としては、端末の stop 文字が使われる。

                  susp    telnetlocalchars モードの場合、または LINEMODE が有効になっている場合に、 suspend
                          文字が入力されると、 TELNET SUSP シーケンス (上記の send susp を参照) がリモートホスト
                          に送られる。 suspend 文字の初期値としては、端末の suspend 文字が使われる。

                  tracefile
                          netdata が TRUE の場合、または option によるトレースが TRUE の場合、このファイルに出力
                          が書き出される。 この値が  “-”  に設定された場合、トレース情報は標準出力に書き出される
                          (これがデフォルトである)。

                  worderase
                          telnet が LINEMODE または “old line by line“ モードで動作している場合、 この文字は端末
                          の  worderase 文字として使われる。 worderase 文字の初期値としては、端末の worderase 文
                          字が使われる。

                  ?       set (unset) で指定可能なコマンドを表示する。

       slc state  slc (Set Local Characters) コマンドは、 TELNET LINEMODE オプションが有効な場合に、特殊文字の状
                  態を設定・変更するために使われる。 特殊文字は、 (ipquit といった) TELNET  コマンドシーケン
                  スや  (erasekill といった) 行編集文字にマップされる文字である。 デフォルトでは、ローカルの
                  特殊文字がエクスポートされる。

                  check       現在の特殊文字の設定を確認する。  リモート側に現在の全ての特殊文字の設定を要求し、
                              ローカル側と矛盾がある場合は、ローカル側の値をリモートの値に変更する。

                  export      特殊文字をローカルのデフォルトになっている文字に変更する。  ローカルのデフォルト文
                              字は、 telnet が起動したときのローカル端末のデフォルト文字である。

                  import      特殊文字をリモートのデフォルトになっている文字に変更する。  リモートのデフォルト文
                              字は、 TELNET 接続が確立したときのリモートシステムのデフォルト文字である。

                  ?           slc コマンドのヘルプ情報を出力する。

       status     telnet  の現在の状態を表示する。 この表示には現在のモードだけではなく、 もし可能ならば、リモー
                  トホストの名前も含まれる。

       toggle arguments ...
                  telnet のイベントしての応答を制御するフラグを (TRUE と FALSE の間で) 切替える。 これらのフラグ
                  は、 setunset コマンドを用いて、 TRUE または FALSE に明示的に設定してもよい。 1 つ以上のフ
                  ラグを 1 度に切替えてもよい。 フラグの状態は display コマンドで調べることができる。 指定可能な
                  フラグは以下の通りである。

                  authdebug     認証コードのデバッグを有効にする。  このフラグは認証のサポートが有効である場合に
                                のみ存在する。

                  autoflush     autoflushlocalchars がともに TRUE で、 ao 文字または quit 文字が認識された場
                                合 (さらにこれらの文字が TELNET シーケンスに変換された場合。詳細は set を参照)、
                                TELNET  シーケンスが処理されたことが  (TELNET TIMING MARK オプションによって) リ
                                モートシステムに認識されるまで、 telnet はユーザーの端末にデータを何も表示しない
                                ようにする。 端末上のユーザーが "stty noflsh" を実行していない場合、  この切替え
                                の初期値は  TRUE  である。 実行していた場合は FALSE である (stty(1) を参照するこ
                                と)。

                  autodecrypt   TELNET ENCRYPT がネゴシエートされているとき、デフォルトではデータストリームの 実
                                際の暗号化 (復号化) は自動的には始まらない。 autoencrypt (autodecrypt)  コマンド
                                は、 出力 (入力) ストリームの暗号化ができるだけ早く有効になるように命令する。

                                このフラグは暗号化のサポートが有効である場合にのみ存在する。

                  autologin     リモート側が  TELNET AUTHENTICATION オプションをサポートしている場合、 telnet は
                                自動認証を行うために、そのオプションを使う。 TELNET AUTHENTICATION  オプションが
                                サポートされていない場合、  ユーザーのログイン名は  TELNET  ENVIRON オプションを
                                使って渡される。 このフラグを設定するのは、コマンドライン上で open コマンドに  a
                                オプションを指定するのと同じである。

                  autosynch     autosynchlocalchars がともに TRUE の場合に、 intr 文字または quit 文字 (intr
                                文字と quit 文字の説明は上記の set を参照すること) が入力されると、 結果として送
                                られる  telnet  シーケンスの後には TELNET SYNCH シーケンスが続く。 両方の telnet
                                シーケンスのが読み込まれて作用するまでには、 この手続きにより、 リモートホストに
                                対してそれまでの全ての入力を捨て始めるように させるべきである 。  このトグルの初
                                期値は FALSE である。

                  binary        入力と出力の両方に対して、 TELNET BINARY オプションを有効・無効にする。

                  inbinary      入力に対して TELNET BINARY オプションを有効・無効にする。

                  outbinary     出力に対して TELNET BINARY オプションを有効・無効にする。

                  crlf          これが  TRUE の場合、キャリッジリターンは <CR><LF> として送られる。 これが FALSE
                                の場合、キャリッジリターンは  <CR><NUL>  として送られる。   このトグルの初期値は
                                FALSE である。

                  crmod         キャリッジリターンモードを切替える。 このモードが有効になっていると、 リモートホ
                                ストから受信した大部分のキャリッジリターンは、  キャリッジリターンとラインフィー
                                ドに変換される。 このモードは、ユーザーが入力した文字に対しては作用せず、 リモー
                                トホストから受信した文字についてのみ作用する。    このモードは、リモートホストが
                                キャリッジリターンしか送らず、  ラインフィードしない場合を除いて、それほど役に立
                                たない。 このトグルの初期値は FALSE である。

                  debug         ソケットレベルデバッグの有効・無効を切替える (スーパーユーザー のみ使える)。  こ
                                のトグルの初期値は FALSE である。

                  encdebug      暗号化コードに対するデバッグ情報を有効にする。  このフラグは暗号化がサポートされ
                                ている場合にのみ存在する。

                  localchars    これが TRUE の場合、 flush, interrupt, quit, erase, kill 文字 (上記の  set  を参
                                照)  はローカルで認識され、(うまくいけば)  適切な  TELNET コントロールシーケンス
                                (それぞれ ao, ip, brk, ec, el; 上記の send を参照) に変換される。 “old  line  by
                                line”  モードでの初期値は TRUE である。 “character at a time” モードでの初期値は
                                FALSE である。 LINEMODE オプションが有効になっている場合、 localchars の値は無視
                                され、常に  TRUE  であると仮定される。  LINEMODE  が有効になったことがある場合、
                                quitabort  として送られ、 eof andeof and susp として送られる。 (上記の
                                send を参照)。

                  netdata       (16 進数フォーマットによる) 全てのネットワークデータの表示を切替える。  このトグ
                                ルの初期値は FALSE である。

                  options       (telnet オプションを処理する際の) 内部の telnet プロトコル処理の表示・非表示を切
                                替える。 このトグルの初期値は FALSE である。

                  prettydump    netdata  が有効になっている場合に、 prettydump が有効になっていると、 netdata コ
                                マンドからの出力はユーザーにとって一層読みやすい形式にフォーマットされる。  出力
                                される文字の間に空白が入れられ、 telnet エスケープシーケンスの前には、探しやすい
                                ように '*' が置かれる。

                  skiprc        skiprc  が TRUE の場合、 telnet は .telnetrc ファイルを読まない。 このトグルの初
                                期値は FALSE である。

                  termdata      (16 進数フォーマットによる) 全ての端末データの表示を切替える。  このトグルの初期
                                値は FALSE である。

                  verbose_encrypt
                                verbose_encrypt が TRUE の場合、 TELNET は暗号化が有効か無効かのメッセージを毎回
                                表示する。  このトグルの初期値は FALSE である。 このフラグは暗号化がサポートされ
                                ている場合にのみ存在する。

                  ?             toggle コマンドに指定可能な引き数を表示する。

       z          telnet をサスペンドする。 このコマンドはユーザーが csh(1) を使っている場合にのみ動作する。

       ! [command]
                  ローカルシステムのサブシェルで、コマンドを 1 つ実行する。 command が省略されると、サブシェルが
                  対話モードで起動される。

       ? [command]
                  ヘルプを表示する。 引き数がない場合、 telnet はヘルプの一覧を表示する。 コマンドが指定された場
                  合、 telnet はそのコマンドのヘルプ情報を表示する。

環境変数

       telnet は少なくとも環境変数 HOME, SHELL, DISPLAY, TERM を使う。 他の環境変数は TELNET ENVIRON  オプション
       を使ってリモート側に送られる。

ファイル

       ~/.telnetrc  ユーザーがカスタマイズできる telnet 起動時の値。

履歴

       telnet コマンドは 4.2BSD で登場した。

注意

       “old line by line” モードの場合、 エコーを手動でオフにしなければならないリモートシステムもある。

       “old  line by line” モードや LINEMODE では、端末の eof は、それが行頭の文字である場合にのみ認識される (さ
       らにリモートシステムに送られる)。

バグ

       ソースコードが分かりやすくない。

翻訳者謝辞

       この man ページの翻訳にあたり、 FreeBSD jpman project <http://www.jp.freebsd.org/man-jp/>  による翻訳を参
       考にさせていただいた。

Linux NetKit (0.17)                              August 15, 1999                                       TELNET(1)